Kindle paperwhite 自炊実験-小説の圧縮形式と品質の評価
最近Kindle paperwhite を買いました。結構今更感が強いのですが。
しかし、これには理由があります。
まだ日本でKindleが発売される1年以上前、今で言うKindle keyboardを購入していたのです。
なので購入しない予定だったのですが、年末のAmazonでのCyber Mondayでスキャナを購入し、その後裁断機を購入してから自炊した本をAmazon経由でKindleで受け取ろうと思ったのですが、いろいろ問題&面倒だと思って購入した次第です。
問題&面倒というのは以前購入していたKindle keyboardが米Amazonから日Amazonに移行することが出来ず、Androidで利用している日Amazonのアカウントと同期が取れず、そのままだと米と日のAmazonを併用しなければならなかったのです。
個人的にはひとつの米と日のどちらかで統一したかったのですが、ハードウェアの制約でそれは無理でした。やろうと思えばそのまま2つのアカウントを併用することもできるのですが、さすがに面倒なので「ま、ライトもついて小さくなるしいっか」と思って結果的に購入に至りました。
基本的には自炊以外で使う予定はないので、スキャンした画像をKindleで表示する上で圧縮率がどのように容量とその表示に影響するのか調べてみようと思い、以下の実験を行いました。
- JPEG圧縮による文字列への影響はどんな感じになる?
- 実際にKindle paperwhiteで表示したらどうなる?
JPEG圧縮による文字列への影響はどんな感じになる?
だいたいKindle whitepaper の解像度に合わせて異なる品質でJPEGで圧縮した後、一部を切り抜いた画像です。
ここでは文字列のスキャン結果を利用してその比較をしてみます。
利用した画像処理ソフトはフリーでお馴染みのGIMP。
品質は 1~20の間で設定して実験しています。
品質 1
品質 3
品質 5
品質 10
品質 15
品質 20
上の画像を見る限りだと1~10でJPEG特有のもやもやが目立ちますね。
そりゃそうですよね。1~10はかなりの圧縮率になりますから、もとの画像に無駄なものが入ったり、抜けたりしてしまいます。
実際にKindle paperwhiteで表示したらどうなる?
Kindleにも入れて実際のところを確認してみましょう。
Kindleに入れるにあたっては、ChainLP というフリーソフトを利用しています。
No.722: ChainLP
上記のURLで公開されています。
高機能で使いやすくもあり、これだけのものをフリーで公開してくださっている作者さんには感謝です。
気づいている方もいると思いますが、使っているソフトが違うので上の結果がそのまま反映されていません。(出来れば、ChainLP→画像抜き出しでやりたかったんですけど、やり方が分からなくて・・・というか面倒で・・・とりあえずということで。)
では、以下が比較です。
JPEGに加えてPNGでも圧縮しています。画像はKindleで表示したものをデジカメで撮影したものを一部編集したものです。
また、カッコ内の値は1冊450ページの小説を各設定でmobi形式で電子書籍化した時の容量です。
JPEG 品質 1(17.5MB)
JPEG 品質 3(17.5MB)
JPEG 品質 5(22.9MB)
JPEG 品質 10(32.6MB)
JPEG 品質 15(40.2MB)
JPEG 品質 20(46.6MB)
PNG 色深度 1bit(22.6MB)
PNG 色深度 2bit(38.2MB)
PNG 色深度 3bit(55.5MB)
PNG 色深度 4bit(67.7MB)
色深度は8bit(0-255)まであるのですがKindleが16階調しか表現出来ないので4bitまでしか作成していません。
試して見た限りだと文字列についてはPNGの1bitが、見やすさと圧縮率の一番バランスが良かったように思います。
同じ圧縮率であるJPEG 品質 5では若干見にくいところがありますし、同じくらいの見やすさとなると容量が大きくなってしまいます。
小説のような文字中心のものを表示するだけならグレースケールではなく、モノクロで十分ということでしょう。
今回は以上になります。
暇があればマンガでもためしてみたいですね。